指輪の内側に925の刻印。これって価値のある指輪なの??

「お前が池の中に落としたのはこの金の斧か?それとも銀の斧か?」

と、聞かれた木こりのお話を知っていますか?

もちろん正直者の木こりは

「いいえ私が落としたのは鉄の斧です。」

と、答えました。

女神は正直者の木こりに金、銀両方の斧を与えたのです。

その頃はプラチナの斧はなかったの?

それとも銀が金と並んで高価だったのかしら?

などと考えてみたりして。

実は、銀の価値が金の価値を凌ぐ位高価で貴重な時代がありました。

もちろん現在に至るまでに金の大逆転劇があるのですが、その頃は採掘が金より大変だったことなどもあり銀が高値の原因だったようですね。

現在は金と銀の間には100倍ほどの金額の差があり、銀の価格は高値ではありません。

銀とプラチナとホワイトゴールドが良くわからない人が多いのは3種類とも「銀色」だからかもしれません。

「自分のもっているシルバーブランドの指輪は何十万円もしたのに銀にあまり価値がないなんて。。」

と心配になりますよね。

大切なのは「何を買うのか」なのです。

貴金属として等価、またはそれ以上で利益を出したいのなら金やプラチナを相場を見て運用するべきです。

各ブランドの指輪などのジュエリーならデザインやブランドの歴史を含んだ商品を買うのですから高額でも安価でも気に入れば購入すべきです。

それがたとえシルバーであってもそうでなくてもです。

譲られた指輪であればその人の歴史も含めて思いやることが大切だと思うのです。

1.925(SV925)の指輪の価値について

有名ブランドのお店などで指輪の裏側にアルファベットや数字が彫り込まれているのを見たことはありませんか?

これは刻印といい、指輪などの貴金属製品の情報を示すマークなのです。

刻印には素材(ゴールド・シルバー・プラチナなど)の刻印、ブランドの刻印、宝石のカラット数など、あらゆる情報がつまっています。

結婚指輪をつくる際に結婚相手の名前や記念日などをいれた方も多いことでしょう。

その刻印の中でも今回は「925」の刻印についてお伝えしていきますね。

「925」という表示は素材として「シルバーを92.5%の割合で使用していますよ」という純銀の含有率の表示です。

「割合」と書きましたが、ここであまり見慣れない記号をご紹介します。

パーミル(‰)という記号です。

この記号、パーセント(%)に似ていますがちょっと違います。

パーセントが100分率に対して、パーミルは1000分率(‰=パーミル)なのです。

パーセントでいうところの0.1%の位まで表されています。

そのためシルバーは

「1000」 → 1000‰ 純銀

「950」 →  950‰ シルバー +  50‰ 銅などの他の金属

「925」 →  925‰ シルバー +  75‰ 銅などの他の金属

のように純銀の含有率で表示されます。

となると、「一番数字が高い100%(1000‰)シルバーが、一番ジュエリーとして価値があるのでは?」と思いませんか。

ところが、純銀自体は軟らかいので純度100%の混じりけのない状態のシルバーだと簡単に傷がついたり変形してしまうためジュエリーなどの装飾品には向かないのです。

そのため、通常は銅などを混ぜたシルバー合金にすることで加工に適した硬さにしているのです。

なかでも、純度92.5%の「925」のシルバーは12世紀にイギリスで発達したのち世界的に普及しました。

有名ブランドのシルバーアクセサリーのほとんどが、この「925」で作られています。

特にシルバー「925」は大量生産に向いているという特徴もあるため多くのブランドが採用しているのです。

さらに「925」シルバーは熱処理で硬度を加えることができるので、貴族の富と美の象徴でもあった銀器や食器など、欧米の銀製品には今でも広く使われています。

「925」の指輪に価値があるとされ、有名ブランドのジュエリーに使用されるのも「美しさ」と「実用性」の両方を兼ね備えているからといえるでしょう。


2.シルバー(SV)の種類

シルバーはその白さと、落ちついた柔らかな光沢が魅力です。

デートにも仕事にもシーンを選ばずに使用でき女性はもちろん、男性にも人気があります。

ジュエリーに用いる場合は純度100%の純銀は軟らかすぎるため他の金属を混ぜてシルバー合金にします。

ジュエリーによく使われるのは純銀の含有率が92.5%の「925」と、95.0%の「950」のシルバー合金です。

そして「925」のことを「スターリングシルバー」ともいいます。

2-1【925(SV925)】

純銀92.5%に、銅などの他の金属を7.5%混ぜたシルバー合金を「925(SV925)」といいます。

硬度があり加工がしやすい上に輝きも魅力的という理由から、有名ブランドのジュエリー素材の主流です。

また、「925」は、熱処理の仕方によって硬度を加えることができます。そのため、古くから欧米では銀器や食器に広く使われています。

2-2【950(SV950)】

純銀95.0%に銅などの他の金属を5%混ぜたシルバー合金を「950(SV950)」といいます。

「ブリタニア」「5分落ち」と呼ばれることもあります。

「925」に次いでジュエリーに使用されているシルバー合金です。

ハンドメイド用の教材や材料としても市販されています。

2-3【スターリングシルバー(STERLING)】

純銀の含有率が92.5%のシルバー合金を「スターリングシルバー」とも呼びます。

そのため925の刻印は「Sterling Silver」とか「Sterling」または「SS」とだけ書かれることもあります。

いずれも925と同じ意味です。

12世紀頃、東ドイツのEasterling と呼ばれる貨幣鋳造家がイギリスで銀貨鋳造を教えて以後、この品位(925)をスターリングと呼ぶようになりイギリスの法定品位となりました。

品位とは地金やコインの中に含まれる金・ 銀の割合のことを言います。

今でもイギリスの通貨ポンドの正式名称は pound sterling(ポンドスターリング) です。

「sterling(スターリング)」 という単語は「英貨の」という意味の他に「本物の」「価値のある」「優れた」といった意味があります。

英国のコインが法定の純度を保っているという意義から、この言葉が使われるようになりました。

3.925(SV925)についてのあれこれ

ファッションセレブや独創的な芸能人のファンが多いシルバーアクセサリーブランドといえは、「クロムハーツ」と「ゴローズ」。

「クロムハーツ」は、もともと大工の見習いをしていたリチャード・スタークを中心にジョン・バウマン、レナード・カムホートと共に1989年アメリカで設立されました。

ガンズ&ローゼズのボーカリストがクロムハーツのシルバーアクセサリーを愛用している事が広く知れ渡りブレイクする様になりました。

クロムハーツの歴史はロックやパンクなど音楽との密接な関係性があるのです。

一方の「ゴローズ」は、インディオからシルバーの彫金を学び、日本人で初めて「イエローイーグル」というインディアンネームを授かった高橋吾郎氏が設立したアクセサリーブランドです。

正統派インディアンジュエリーに高橋氏の独創的な感性が加味され、90年代前半には制作が間に合わないほどオーダーが殺到しました。

一躍シルバーアクセサリー界での名声は不動のものとなりました。

どちらのブランドにおいても、そのシルバーアクセサリーの輝きと美しさを支えているのが「925」です。

様々な加工ができる硬度があり、かつシルバーの輝きを一番保てる「925」リングやブレスレットなど、その刻印を探してみるのも楽しみの一つになりますね。

4.保存方法や注意点などのアドバイス

しばらく着けずに置いていたら黒くなってしまった・・・

着けたまま温泉に入ったら真っ黒になってしまった・・・

なんて経験をされたことがある方も多いのでは。

シルバーは長時間経過すると空気中の硫化水素などの硫黄成分と反応し、黒く変色してきます。

これを「硫化(りゅうか)」といいます。

空気と触れて「酸化している」と説明するジュエリー店もありますが正確には「硫化」です。

紙製品やゴム製品にも硫黄成分が含まれていることがあるのでシルバー製品と一緒に保管はしないようにしましょう。

また、硫黄成分の入った温泉や汗にも反応します。

お風呂や運動の際にははずしておくとよいですね。

シルバーが黒く変色するのを防止し、きれいな状態を保つためにシルバー製品の多くがロジウムコーティングされています。

逆に、シルバーが黒く変色する性質を積極的に活用して、へこんだ部分や表面加工の部分に始めから古美液(ふるびえき)という溶液を塗り、黒く仕上げる「いぶし仕上げ」という方法もあります。

「いぶし銀」という名称でよく知られています。

使い続けるうちに変色してしまったシルバーはシルバーダスターで拭いたり、重曹を湿らせた布でかるくこすると見事に輝きを取り戻します。

「ちょっとお手入れが面倒」

と思うかもしれませんが、何年たっても磨けばピカピカな状態に戻るのがシルバーの魅力。

メンテナンスし、磨きこむほどに愛着がわいてきて可愛く感じられることでしょう。


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