金の延べ棒・インゴットなど資産運用のある金の指輪の価値

昭和と平成の変わり目の頃「ふるさと創生(一億円)事業」というものがあったのをどれ位の人が覚えているでしょうか?

国が各都道府県に一億円を配り自由に使ってください。

というもの。斬新な試みでした。

中でもいくつかの県は一億円の純金の像を作り話題になりました。当然、悪い人もいるもので、その多くが盗難にあったこともニュースになりましたね。

そして、驚いたのは金塊を公開して、訪れた人々がそれに触れるという県もありました。

しかし、あまりにも来場者数が多く金塊がすり減り重さが減ったため、結果「触ること」はできなくなったのです。

金塊は軟らかいのはわかっていてもグラムが減るなんて思っていなかったのかもしれません。

金は時には食用になったり、貨幣になったり、ジュエリーになったりと色々な意味で柔軟なのです。

1.金の指輪の価値について

金は紀元前6000年頃にメソポタミアで使われ始めたといわれています。

天然の塊のまま、もしくは砂金の状態で発見されそのまま使用できたため、古代から装飾品や工芸品などに使用されてきました。

金の英語「gold」の語源は「きらきら輝く」を意味するゲルマン語「gulth」からきています。

美しく輝き、錆びることも朽ちることもない金は、富の象徴として最高の価値の座に君臨し、あらゆる人々を魅了し続けてきました。

その変わらぬ美しさと、1グラムで3000メートルの糸になるほど薄く延びる性質が加工のしやすさにつながり、金はジュエリーの素材としても古くから重用されてきました。

また、金は1トンの金鉱石からわずか3~5gしか採れない稀少な貴金属です。その稀少性から貴金属としてだけでなく、長期的な財産保全のための実物資産として世界中で取引されてきました。

普遍的な資産価値を持つ金は、貴金属の中でも買取価格は常に高い状態を保ち、長期的な視点で見ると相場も安定しています。

世界情勢の変化に強く、有事の際には安全資産として金を買う人が増えるため、価値が上がる傾向があります。

金のジュエリーは宝飾品としてだけでなく、資産としての価値もあるのです。

とはいえ、ジュエリーは代々その家に引き継がれてきた思い出の品であったり、大切な方からの贈り物、自分へのご褒美などの場合もあるでしょう。

特に指輪は、結婚や婚約といった人生の節目に深く関わるジュエリーです。1つ1つのジュエリーには各々のストーリーがあり、その想いこそ変わらぬ価値なのかもしれません。

2.金の色の種類について

金は100%純金のままでは指輪の素材としては軟らかすぎて不向きなため、他の金属を加えて合金することで硬さを増し素材として使用しています。

この時に加える他の金属の種類や配合によって、さまざまなカラーバリエーションが生まれ、これが金の大きな魅力のひとつとなっています。

今までになかった色が次々と生み出され、人気も急上昇しています。コーディネートの幅も広がり、ますます身に着ける楽しみが増えますね。

2-1【イエローゴールド】

純金に、銅と銀を混ぜて作られるイエローゴールドは、純金を凌ぐ黄金の輝きが魅力です。

華やかで明るい雰囲気を演出するのにふさわしく、海外の高級ブランドでもよく使われる素材です。欧米では結婚指輪や婚約指輪として最も人気です。

日本でも昭和の初め頃の結婚指輪としてイエローゴールドは定番でした。

今はあまり見られなくなった「かまぼこ型」の結婚指輪がそれです。おばあちゃんが着けている指輪の印象が強いですよね。

そして、イエローゴールドは変色・変質がきわめて少なく、硬度も高いので、日常使いとして安心して着けることができます。

2-2【ホワイトゴールド】

ホワイトゴールドは、2種類の配合により作ることが出来ます。

1つは純金にパラジウムを、もう1つは純金にパラジウムと銀と銅を加えることで作られます。

以前は、純金にニッケルを合金したホワイトゴールドも多く作られていましたが、ニッケルが金属アレルギーを起こすおそれがあるため、現在ではパラジウムを合金することが主流となっています。

ホワイトゴールドは、もともとヨーロッパでプラチナの代用品として開発され、欧米では今でも白い貴金属といえばプラチナではなく、ホワイトゴールドを指すくらい一般的です。

ホワイトゴールドはプラチナより明るく薄い黄色で、ほとんどの指輪やジュエリーはその黄色味を消すために表面にロジウムコーティングを施して美しい白に仕上げられています。

よく、ホワイトゴールドの指輪を着けている人で「私の指輪の色が変わった。もしかしたら偽物?」と心配する人がいますが、色が変わったわけではなく、ロジウムコーティングが取れて本来のホワイトゴールドの色が出てきただけなのです。

ホワイトゴールドは、プラチナとよく似た輝きで日本でも男女を問わず人気が年々増しています。白のクリアな美しさと使い勝手の良さから、世界の名だたる高級ブランドにも好んで使われている素材です。

2-3【ピンクゴールド】

ピンクゴールドは、純金に銀と銅とパラジウムを加えて作られます。

銅を加えることで赤みを持たせ、パラジウムを加えることで赤みを薄めてピンク色に仕上げているのです。

暖色系のピンクゴールドは、肌なじみしやすい柔らかな色合いで、シックで上品な雰囲気を演出し、女性を中心に人気が高まっています。

ピンクゴールドは、ほかのゴールドに比べて銅の比率が高いため、強度が強く耐久性があるのが特徴ですが、素材が硬い分、加工がしにくくサイズ調整が難しい場合もあります。

仮に一度加工が出来ても二度目以上の加工に耐えられない場合もあります。ピンクゴールドの指輪を購入する時は必ず事前に確認しておきましょう。

また、銅が加えてあることで、汗や温泉などに反応して変色が起こりやすくなりますので、運動やお風呂の際は外しておくことをおすすめします。

2-4【グリーンゴールド】

純金に銀を多めに加えることで独特のやや緑がかったグリーンゴールドが作り出せます。

少量の銅を混ぜている場合もあります。植物のような爽やかで優しい色合いが特徴で、アンティークジュエリーなどにも用いられます。

グリーンゴールドは、ほかのカラーゴールドと比較して、軟らかく耐久面ではやや劣りますが、長く使い込むほど表面に独特の色合いが出て、その表情の変化を楽しめます。

2-5【ブラックゴールド】

純金にパラジウム、プラチナ、銀を加えて出来るのがブラックゴールドになります。

素材に金、プラチナ、パラジウム、銀という4つの高価な貴金属を使用するので、非常に価値の高い素材です。

ブラックゴールドは、ダイヤモンドやカラーストーンとの色の対比を際立たせ、よりゴージャスに見せてくれます。

その上品な色と独特な質感、金だけど金ではないようなクールな魅力で、女性だけでなく男性からの人気も高まっています。

ただ、なかにはイエローゴールドやホワイトゴールドに、ルテニウムにてメッキ加工して黒く見せ、ブラックゴールドという名称で流通しているジュエリーも存在しますので、お店でよく確認しましょう。

2-6【レッドゴールド】

純金に銅を多めに加えたのがレッドゴールドになります。少量の銀を加える場合もあります。

気品ある赤色をアクセントとして使用することで、可愛らしく温かみのある雰囲気を醸し出し、三連リングやアンティーク調のジュエリーなどにも重宝されています。

その色合いからローズゴールドと呼ばれることもあります。

レッドゴールドは、ピンクゴールドと同様ほかのゴールドに比べて銅の比率が高いため、強度が強く耐久性があるのが特徴ですが、素材が硬い分、加工がしにくくサイズ調整が難しい場合もあります。

仮に一度加工が出来ても二度目以上の加工に耐えられない場合もあります。レッドゴールドの指輪を購入する時も必ず事前に確認しておきましょう。

また、銅が加えてあることで、汗や温泉などに反応して変色が起こりやすくなりますので、運動やお風呂の際は外しておくことをおすすめします。

3.金の種類について

金のジュエリーの裏側に「K18」や「K14」と彫り込まれた刻印を見たことがある人も多いでしょう。この刻印は「金属の種類」と「その割合」を知らせるためのものです。

アルファベットの「K」は、金の純度を表す単位であるカラット(Karat)の頭文字です。「K」の後ろの数字は、その製品に含まれている純金の含有率を表しています。

純金自体は軟らかく、100%の純度ではジュエリーの素材としては傷つきやすく加工がしにくい状態です。そのため通常は、ほかの金属を加えて合金にし、指輪などのジュエリーに適した硬さにして使用するのが一般的です。

日本では、純金の含有率を24分率で表示します。つまり、純度100%の金=K24(24金)となります。(実際には、日本では99,99%~100%の純度のものをK24と表示します。)

海外では、金の純度を1000分率の数字で刻印していることもあり、「K18」と同じ純度を表す「750」や、「K14」と同じ純度を表す「585」などはよく見かける刻印です。

K24 or 1000 → 100,0% 純金

K22 or  917 →  91,7% 純金 +  8,3% 他の金属

K20 or  835 →  83,5% 純金 + 16,5% 他の金属

K18 or  750 →  75,0% 純金 + 25,0% 他の金属

K14 or  585 →  58,5% 純金 + 41,5% 他の金属

K10 or  417 →  41,7% 純金 + 58,3% 他の金属

K 9 or  375 →  37,5% 純金 + 62,5% 他の金属

Kの後の数値が高いほど、純金の含有率、純度が高くなります。

金の含有率が高ければ高いほど、変色はしにくいですが、傷つきやすくなります。

反対に、金の含有率が低すぎると丈夫な反面、金以外に含まれる金属によって、酸化等で変色しやすくなったり、金属アレルギーを起こすリスクも上がります。

金属アレルギーが心配な方は、K18以上を選ぶと良いでしょう。

特にニッケルは金属アレルギーを引き起こしやすい金属ですので、ニッケルが含まれていないかどうかもチェックしてから購入しましょう。

また金は、国によって好まれる純度が異なるのをご存知でしょうか?

金は世界各国で使用されている素材ですので、好まれる金の純度にも、国民性や文化的背景が反映しているようです。

たとえば中国では、豪華な純金が好まれます。K24の純金、及びK22の高品質のものが重宝され、K18やK14などは価値があまり高いとはみなされないようです。

一方アメリカでは、頑丈な素材が好まれK14が多く用いられています。

結婚指輪の素材としても、日本ではK18が主流ですが、欧米ではK14が主流です。ハワイでは、ジュエリー素材としてK14が大人気で、日本でもK14を活用した製品が増えています。

3-1【24金・K24・24K】

日本では、純金の含有率が99,99%以上のものを24金「K24」と呼び、もっとも資産価値の高い素材です。

ほぼ100%の純金含有率を誇るため、腐敗・変色することなく、その輝きは永久的に持続します。

ただ、純金自体は軟らかいためジュエリー用の素材には向かず、インゴットやコインなど、主に資産価値を目的とした製品に加工されます。

3-2【18金・K18・18K】

純金含有率が75,0%の18金「K18」は、日本では一番人気が高く、合金ながらも金の高級感と風格をそなえ、国内外のハイジュエラーもこぞって使うポピュラーな素材です。

高い純度を保ちつつ、加工しやすい適度な硬さを持つK18は、日本では結婚指輪にもよく使用されています。

ジュエリー以外にも時計、ライター、カメラなど広い用途で使用されています。

3-3【22金・K22・22K】

純金の含有率が91,7%の22金「K22」は、主に海外のジュエリーや金貨に用いられています。

K24よりも丈夫ですが、金の含有率が高いため比較的軟らかく、傷がつきやすいため取扱いには注意が必要です。

日本以外のアジアの国々では、濃いゴールドカラーが好まれる傾向があり、純金に近い色調と輝きを持つK22のジュエリーは人気が高いようです。

3-4【20金・K20・20K】

純金の含有率が83,5%の20金「K20」は、日本ではあまり馴染みがありませんが、海外では指輪などのジュエリーに用いられています。

日本では、適度な硬さとアレルギーを起こすリスクの少なさから、歯のかぶせ物としても用いられています。

3-5【14金・K14・14K】

純金の含有率が58,5%の14金「K14」は、強度があることから、丈夫な素材を好む欧米で人気が高く、結婚指輪やカフス、眼鏡フレームや万年筆のペン先、フルートの菅まで大活躍している素材です。

混合物の割合が増えることによって耐久性が増し、価格が比較的安価であるメリットがある反面、変色するリスクも増えます。

K14は約40%の割金を配合させますので、色調の幅も広がり、K14のカラーゴールドのバリエーションも増えています。

3-6【その他】

純金の含有率が41,7%の10金「K10」は、金の価格高騰をうけて、近年に登場してきました。

金の含有よりも混合物の含有率が上回るため、輝きが弱くさびやすい傾向はありますが、加工がしやすく安価なため、K10のジュエリーにはデザイン性に優れたものが数多く作られています。

純金の含有率が37,5%の9金「K9」は、特にイギリスの王室が好んで使用しており、「ブリティッシュゴールド」、または「ロイヤルゴールド」とも呼ばれ親しまれています。

特にプラチナを混ぜた高価なジュエリーも数多く存在します。

また、ヨーロッパでは色とりどりの宝石類とK9のカラーゴールドを組み合わせた、デザイン性の高いアンティークジュエリーにも使用されています。

4.刻印のKが数字の前後につく違い

金の刻印で、Kの表示が数字の前につく「K18」と、数字の後ろにつく「18K」は何か違うのでしょう?

日本の造幣局の検定制度やJIS規格では、金の品位(純度の割合)を「K18」というように、前に「K」を付けることが定められています。

これを指標として通常、日本の正規商品には、前に「K」を付けた「K18」のように表記するのが一般的とされています。

したがって「18K」などの表記の場合は、日本の製品ではない可能性が高いために、貴金属としての信用度が低くジュエリー業界では「あとK(あとケー)」と呼ばれそのほとんどがK14以下の場合が多い為、買取などの場合K14以下で見積もられる場合もあります。

5.金についてのあれこれ

金を素材として用いている製品で、「K18GP」「K18GF」や「K14GP」「K14GF」と、GPやGFという表示が記載されているのを見たことはありませんか?

GPの刻印は、Gold Plated(ゴールドプレーテッド)の略称で、「金めっき」を指しています。

GFの刻印は、Gold Fillde(ゴールドフィルド)の略称で、「金張り」と呼ばれています。

つまり、「K18GP」「K18GF」は、K18による金めっきや金張りを指し「K14GP」や「K14GF」は、K14による金めっきや金張りを指しているのです。

GP(金めっき)とは、表面の色合いを調整するために行われています。メイン素材の表面に、100分の1から1000分の1ミリメートルほどの厚さの金めっきが施されています。

このように、めっきの層が薄いので、数か月使用しているうちに衣服などとの摩擦で、はがれ落ちてしまうことがあります。

GF(金張り)とは、メインの素材に高熱で金の層を表面に圧着します。この層が重量比にして全体の5%以上であれば、金張りと呼ばれます。

GF(金張り)は比較的、厚い層の金を用いていますので、GP(金めっき)よりも耐久性が高くなります。

見た目の色が金色でも、中身はシルバーだったり真鍮だったりすることがあるので、よく確認してから選ぶようにしましょう。

6.保存方法や注意点などのアドバイス

金は他の貴金属と比較して、簡単なお手入れで元の輝きを取り戻すことが出来ます。

金の美しさを永続的に保つために、普段のお手入れでは、柔らかい乾いた布で軽く磨き、こまめに汗や皮脂を取り除くようにしましょう。

汚れがひどいときは、ぬるま湯に溶かした中性洗剤で優しく磨いたあと、水ですすいてください。このとき直接洗剤や水をかけないようにしましょう。

洗い終わったら、水分をきちんと拭き取ってください。水分も腐食の原因となります。

専用のゴールドクリーナーやゴールド洗浄液も市販されていますが洗浄に向かない石が付いていたり、洗浄液が十分洗い流されていない場合色々な問題が起こることが考えれられるので、出来ればそれを使用せず、信頼のおけるジュエリーショップやリフォーム(リメイク)専門店などに相談することをおすすめします。

気軽に相談できるので、ぜひ活用して、いつまでも変わらぬ輝きと美しさを保っておきましょう。


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